本の虫の本

本屋さんでの紙とインクの匂いに癒される本の虫の書評ブログ

『自分の小さな「箱」から脱出する方法 』アービンジャー・インスティチュート著 (大和書房)

〈トラブルを引き起こしている原因の正体とは?〉

 

私たちが抱える問題の多くは、人間関係に起因することが多いですが、とりわけ、「あの人に傷つけられたから…」「あの人のせいで…」とつい相手のせいにしてしまうことが多々あるのではないでしょうか?

この本は、トラブルの根本原因を作り出している発生源が、他ならぬ自分自身のものの見方であると指摘していて、それを「箱に入ること」になぞらえて説明しています。

よく、相手は変えられない、自分の見方を変えることが大切だと言われますが、この本を読んでみて、なぜそう言えるのかがよく理解できました。

加えて、相手がどう反応しようとそれを責めるのではく、むしろ自分が相手のためにできることをし、その努力を続けるよう促されました。

翻訳本なので少々読みにくい箇所もありましたが、内容はとても論理的で腑に落ちやすく、いかに自分独自のものの見方にはまり込んでいたか思い知らされました。でも、痛いところを突かれたというより、むしろ目の前がパッと開けて、あ、そうだったのか!という爽快感に近いものを感じました。この気持ちよさを一人でも多くの人に味わって欲しいです。